執行役員 | 関 大介

大学院で原子核物理を研究していた関執行役員は、偶然のご縁をきっかけにナルックスへ。

現在はCTO兼CDVOとして、技術・開発・商品開発を横断しながら、
“技術を価値に変える会社へ”という変革を進めています。

変化の大きい時代の中で、ナルックスがどう前進していくのか。
関執行役員の視点と想いを伺いました。

PROFILE

プロフィール

ナルックス株式会社 執行役員 CTO兼CDvO
関 大介

2003年、大学院での原子核物理研究を経てナルックスへ入社。
光学設計部門にてレンズ性能設計を担当し、その後、設計開発部長などを歴任。

現在はCTO(技術責任者)兼CDVO(開発責任者)として、技術・加工計測・商品開発を統括している。

新たな製品開発で、技術力で勝つ会社へ

現在は、執行役員のCTO(技術責任者)兼CDVO(開発責任者)として、
技術、加工計測、商品開発といった、ナルックスの技術領域全般を統括しています。

私自身、もともと設計分野の出身で、設計や開発などには詳しいのですが、ものづくりの現場に深く関与してきたわけではありません。
しかし、現在は「技術をどう事業に結びつけるか」という観点で、各部門を横断しながら日々取り組んでいます。

最近では、かつて存在していた商品開発部を再び立ち上げ、自社の技術を起点に新しい価値を生み出す“プロダクトアウト”型の開発にも力を入れており、お客様の要望に応えるだけでなく、自社の技術を起点に新しい市場を生み出していくことを目指しています。

また、こうした自社開発の推進と並行して、「技術をどう事業の成長につなげていくか」というテーマのもと、開発体制そのものの最適化にも取り組んでいます。

現在、私が注力しているのは、自社技術を応用した新しい製品開発と、DXによる技術基盤の進化です。  商品開発部の再編を機に、これまで培ってきた光学技術を活かしながら、複数の新規プロジェクトを同時に進めています。

たとえば、レンズ表面に微細構造を形成して反射を抑える「ARS(アンチリフレクションストラクチャ)」技術を搭載した製品や、ARグラス向けの光学部品、医療分野で使用される特殊照明の開発などです。
これまでレンズ単体の開発が中心でしたが、現在は電子基板や光源、ソフトウェアを含む光学システム全体の開発にも取り組んでおり、より高付加価値な領域への拡張を進めています。

また、製造現場ではDXと自動化の推進が大きなテーマになっています。
AIを活用した外観検査の自動化や、設備データの解析による不良予防など、デジタル技術を活用して生産効率と品質の両立を図っています。
さらに、金型コストの最適化に向けて海外調達の拡大も進めており、グローバル視点での競争力強化を目指しています。

こうした新たな挑戦を進める中でも、ナルックスが長年培ってきた金型補正を通じた「すり合わせ技術」は、これからも大切にしていきたい基盤です。
設計と製造が互いの知見を活かして性能を高めるこの技術こそが、変化の時代においても当社の競争力を支える原点だと考えています。

ナルックスの大きな強みは、光学技術の深さと、一貫したものづくり体制にあります。
ただし、その強みを活かしきるためには、「技術をどう事業として価値化していくか」という視点が欠かせません。
技術開発には高い熱量をもって取り組んでいますが、開発した技術が製品化や事業化に結びつかないケースもあり、マネタイズの意識がまだ十分に浸透していないと感じています。

そのため現在は、事業化を前提とした開発体制へと移行を進めています。
開発初期から営業や生産技術が関わることで、市場性・コスト・量産性を踏まえた判断を行い、スピードと市場対応力を高めています。
また、DXや自動化を通じて設計から量産までをデータでつなぎ、属人的な技術を再現可能な仕組みへと変える取り組みも進めています。
さらに、海外調達の拡大によるグローバル競争力のあるコスト構造の確立を図りながら、長年培ってきた「すり合わせ技術」の価値をデジタルの力で継承していく。

こうした変革を通じて、「技術力で勝つ会社」から“技術を価値に変える会社”へ。
ナルックスの強みを進化させ、持続的に発展できる事業構造を築いていきたいと考えています。

光学設計で培った原点と、挑戦が導いたキャリアの進化

私はもともと大学院で原子核物理の研究をしていました。

博士課程まで進んでいましたが、途中で研究以外の道にも関心を持ち、メーカーの開発職を志して就職活動を始めました。
ただ、時期が少し遅かったこともあり、募集がほとんど終わっていました。そんなとき、たまたま目にしたのがナルックスの求人でした。
すでに募集期間は終了していましたが、「試験を受けてみませんか」と声をかけていただき、2003年に入社しました。

最初に配属されたのは光学設計の部門で、レンズの性能設計を担当していました。
その後、課長、設計開発部長とキャリアを重ね、現在はCTO兼CDVOとして技術・開発・商品開発を統括する立場になりました。

もともと「モノづくり」や「仕組みを考えること」が好きだったので、設計者としての経験は今でも自分の原点になっています。
レンズの世界では、わずかな数値の違いが結果を左右します。
その精密な世界で試行錯誤を繰り返す中で、理屈を突き詰める姿勢と、再現できる形で成果を残すことの重要性を学びました。

今でもその考え方は、組織づくりや新技術開発の判断軸になっています。

課長時代に、スイスの協力会社へ3週間ほど単身で出張したことがありました。
現地のパートナー企業と共同開発を進めるという任務でしたが、英語は得意ではなく、文化や仕事の進め方もまったく違う環境で、最初は戸惑うことばかりでした。

ただ、異なる文化や考え方の中で仕事をすることで、これまでにない気づきや学びがありました。
当初は「こんなのやれるのか」と思いましたが、やってみれば何とかなるものだという実感を得て、度胸がついた出来事でもあります。

今振り返っても、あのスイスでの3週間は、自分にとって大きな転機だったと思います。
異なる価値観の中で得た経験は、今のグローバル展開や海外拠点との連携にも活きています。

私が仕事をするうえで一番大切にしているのは、「できることからやる」という姿勢です。
どんなに難しいことでも、まず一歩を踏み出さなければ何も始まりません。
「隗より始めよ」ということわざがありますが、まさにその通りだと思っています。

また、自分が率先して行動することも意識しています。人に任せる前に、まず自分が動く。
そうして実際にやってみることで、課題の本質が見えてきますし、周囲にも自然と意識が広がっていくと感じています。

設計者時代の経験から、最初の考え方や方向性の大切さも強く学びました。
どんなに技術的に優れた設計でも、最初のコンセプトが間違っていれば、最後まで正しい形にはならない。
最初に何を目指すのか、その“入口”をしっかりと定めることが、良い成果につながると考えています。

そして今の立場になって、改めて感じるのは理念の力です。
若い頃は朝礼で聞いても正直ピンときていませんでしたが、人を導く立場になって初めて、その意味が分かるようになりました。
理念は形だけの言葉ではなく、判断の軸として組織を支えるもの。
それをいかに日々の行動に落とし込むかが、これからの自分の役割だと思っています。

全社が“ひとつ”に向かう組織へ

私にとってONE NALUXは、「全社が同じ方向を向いて進む状態」を表している言葉だと感じています。
特に私の担当領域では、海外の子会社との関係性が非常に重要です。
これまでのように本社が一方的に指示を出すのではなく、各拠点が自ら考え、判断して動けるようにすることが求められています。

そのためには、相互理解と情報共有の質を高め、信頼関係を築いていくことが欠かせません。
そうした連携の深さこそが、ONE NALUXの実現につながると感じています。

また、設計DXの進展により、設計・製造などの各部門の垣根も少しずつ低くなってきています。
部署を越えてデータや知見を共有し、全体で成果を生み出す。
こうした“つながりの精度”を高めていくことが、これからのナルックスにとってのONE NALUXのかたちだと思います。

今は人手不足などで、現場の負担も大きい時期だと思います。
ただ、そういう状況の中でも仕事の質を高めて、「この会社で頑張ればしっかり評価される」「自分の成長に見合った環境がある」と感じてもらえるようにしていきたいと思っています。
そのために、会社としても仕組みや体制を整えながら、一人ひとりが誇りを持って働ける環境づくりを進めていきます。

ナルックスは大きな会社ではありませんが、世界の一流企業と技術で対等に勝負できる数少ない存在です。技術者として挑戦しがいのある仕事が多く、ここで得られる経験は、きっと他では味わえないものになるはずです。

そして、どんなときも大切なのは“信頼関係”です。
会社と社員、そして国内外の拠点同士が、お互いを信頼し、支え合いながら成長していくこと。
その関係性こそが、ナルックスをさらに強くしていく原動力になると感じています。

一人ひとりが自分の仕事を楽しみ、ポジティブな気持ちで挑戦を続けてほしい。
私自身もその姿勢を忘れずに、皆さんと一緒に、ナルックスの未来をつくっていきたいと思います。

INTERVIEW

役員インタビュー